ジョルジョ・デ・キリコ―変遷と回帰 展


昨日はパナソニック汐留ミュージアムで『ジョルジョ・デ・キリコ 変遷と回帰展』を見てきました。この看板は新橋から汐留に続く地下道にあったもの。写真右隅、お掃除道具一式のワゴンが妙にマッチしていませんか?

地下道には《サモトラケのニケ》のレプリカが展示されていました。国立新美術館で来年2月から開催されるルーブル美術館展の宣伝みたいです。日本テレビルーブル美術館にある本物の《サモトラケのニケ》修復に資金援助したそうですよ。私はてっきり、国立新美術館に本物のニケが来るのかと思っちゃいました。あ〜あ 残念。


キリコと言えば、《街の神秘と憂愁》が有名ですが、残念ながら今回この絵はありませんでした。
とはいえ、すご〜〜く面白い美術展でした。諸星大二郎つげ義春のマンガに通じる異世界っぷり。
ユダヤ人のビスケットへの偏愛っぷりには笑いを禁じ得ませんでした。全然美味しそうじゃなくて、パッと見、ひからびたウ○コって感じなの。なのに数々の絵に登場。精神分析学的に何かあるのでしょうかね?
あまりに人間っぽい表情の馬モチーフにも何かありそうでしたよ。

89歳の時にイタリア国営放送のインタヴューに答えている映像も流れていたのですが、単刀直入な質問にのらりくらり答える喰えないオッサンぶりが素敵でした。見るからに上質なアーガイル模様のカーディガンに濃紺のネクタイ姿がおしゃれ〜。年譜によると享年は90歳だったので、生涯現役で絵を描き続けたようです。晩年の自由な境地はちょっとヘタウマ系なテイスト。架空の邸宅の上で巨大なふたりの男性歌手が気持ち良さそうに歌っていたり《邸宅の上の人物(邸宅の上で歌う2人のテノール歌手》、石鹸みたいな形の石油が噴水からこぼれおちている絵のタイトルが《黒い宝》だったり、街やオブジェのカタマリが全体で馬の顔になっていたり《神秘的な動物の頭部》・・・ホント面白かった!

展覧会のみどころはこちらhttp://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/14/141025/ex.html

美術館を出ると、旧新橋停車場にイルミネーションが輝いていました。カップルが自撮りしまくってました〜♡