超絶技巧!明治工芸の粋


今日はつれあいと一緒に三井記念美術館に行ってきました。
サブタイトルが《これぞ明治のクールジャパン!!村田コレクション一挙公開》
村田コレクション?村田さんって誰?とHPを見たところ、村田製作所の専務だった方(1950年生まれ)が海外に流出した作品などをオークションで購入して、里帰りさせているようです。企業メセナ(死語?)とはちょっと違いますが、「えらいぞ!ムラタセイサクくん」と思わず褒めてしまいました。

           ムラタセイサクくん

出品作品は正に超絶技巧!細工の緻密さに目がシパシパする程でした。一見したところドットですが、実は一つ一つが蝶というモチーフが複数ありました。輸出品では蝶のモチーフがかなり好まれたようです。工芸品には四季花鳥図風の柄が多かったのですが、アールヌーボー風の植物デザインも散見しました。
私は柴田是真の漆芸が大好きなので、今回も展示されていてうれしかったです。余白を生かしたシャープなデザインが群を抜いているなぁと今日も再確認しました。下の記事は2010年に同じ美術館で柴田是真展を見たときの感想です。
http://d.hatena.ne.jp/fumfum235/20100117

自在という、江戸時代には鎧を作っていた職人さんたちが作った動く蛇や鯉や虫の置物が面白かったです。海洋堂フィギアの大先輩!って感じ。銀製の蟷螂が絵ハガキになってなかったのが残念至極。

画像検索してみました。

足や鎌の関節や触角が動きます。好きだなぁ カマキリ!

象牙を彫って着色した筍やバナナや蜜柑にもびっくり。皮をむいた部分が笑っちゃうほどリアルでした。安藤緑山という人が作者ですが、経歴も詳しくわかっておらず技術を伝えた弟子はいなかったそうです。こちらは浅草橋の食品サンプルの祖って感じでした。

       竹の子、梅
「台湾の白菜(故宮美術館の玉製の白菜)より良く出来てるわね〜♪」と上の作品を見て、おばさんグループがうなずき合っていました。

              *

明治のクールジャパン堪能してきました。
江戸から明治にかけての職人さんの技量の冴えには本当に脱帽です。カルティエやヴァン・クリーフ&アーベルの宝飾展も見てきましたが、私は断然日本の技術力に軍配を挙げちゃいます。しかも宝石使ってないし!