国宝 向源寺 十一面観音菩薩立像


今回の旅行の一番の目的はこの仏像を拝観することでした。
2006年10月3日〜12月3日の二ヶ月間だけ、東京国立博物館 平成館で開催された《特別展 仏像 一木にこめられた祈り》で出会って、魅了された仏さまです。
今回は8月4日(日) 朝 ツアーのために通常の開館時刻前に収蔵庫を開けてくださりました。
たかつき ふるさとまつりのメイン会場なので、地元のみなさんがテキパキと準備中。

風鈴が涼し気です。

収蔵庫は住職さんのお話によると、当時の文化庁長官 河合隼雄氏が「(十一面観音さまが)二ヶ月だけ東京の仏像展に出てくれたら、作りましょう」と即決してくれたので竣工したそうです。
昨日、奈良の国立博物館で国宝の仏像が雨漏りの被害にあったそうです。観音さまの東京出張は正しい判断だったようですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130806-00000047-mai-cul 


私はこの角度からみたお姿が一番好きです。

後ろ姿も優美。わずかに曲げた腰が女性的に見えます。東洋のビーナスとも呼ばれているそうです。

そんな優美な後ろ頭に 暴悪大笑面が・・・。
頂上仏が如来相ではなく菩薩相で頭上に五躯の化仏を拝する点、本面の左右に大きく変化面を表していることが特色だそうです。
仏像展の図録から抜き書きしておきます。
 像高 194.0  平安時代 9世紀 滋賀・向源寺(渡岸寺観音堂所在)
瞑想するかのような慈悲深い表情、ふくよかな胸や腹の肉付き、腰を捻って立つすらりとした肢体。類いまれな美しさから、多くの人の心を捉えて離さない。頭体部の主要部から台座の蓮肉、両腕から本体を離れて台座に垂下する天衣も含めて針葉樹の一木から彫り出し、上下二段に背刳りを施す。

十一面観音についてのウィキペディアをコピペしま〜す。

十一面観音はその深い慈悲により衆生から一切の苦しみを抜き去る功徳を施す菩薩であるとされ、女神のような容姿に造られたものが多い。多くの十一面観音像は頭部正面に阿弥陀如来の化仏(けぶつ)を頂き、頭上には仏面(究極的理想としての悟りの表情)、菩薩面(穏やかな佇まいで善良な衆生に楽を施す、慈悲の表情。慈悲面とも)、瞋怒面(しんぬめん。眉を吊り上げ口を「へ」の字に結び、邪悪な衆生を戒めて仏道へと向かわせる、憤怒の表情。忿怒面(ふんぬめん)とも)、狗牙上出面(くげじょうしゅつめん。結んだ唇の間から牙を現し、行いの浄らかな衆生を励まして仏道を勧める、讃嘆の表情。牙上出面あるいは白牙上出面とも)、大笑面(だいしょうめん。悪への怒りが極まるあまり、悪にまみれた衆生の悪行を大口を開けて笑い滅する、笑顔。暴悪大笑面とも)など、各々に複雑な表情を乗せ、右手を垂下し、左手には蓮華を生けた花瓶を持っている姿であることが多い。この像容は玄奘訳の「十一面神咒心経」に基づくものである。通例、頭頂に仏面、頭上の正面側に菩薩面(3面)、左側(向かって右)に瞋怒面(3面)、右側(向かって左)に狗牙上出面(3面)、拝観者からは見えない背面に大笑面(1面)を表す。