失敗談

失敗談

失敗談

実はまだ読んでいないのですが、『思考の整理学』で有名な外山滋比古先生の最新書き下ろしエッセイだそうです。おん年90歳。
新聞広告のキャッチコピーが魅力的でした。
  転ばぬ先の杖などない。
  けがの予防には転び方を
  身につけるのがよいのである。

これって全国の保育者が保護者の皆さんに声を大にして言いたいことじゃないでしょうか?

  さらに名言はつづきます。
  入学試験不合格、運動会のかけっこ、辞職、ものわすれ・・・
  人生は不思議なもので、失敗が多い人間ほど、魅力的になっていく。
  失敗をおそれてはいけない。
  乗りこえる目標だと考えるのがいい。

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

外山先生の文章が読みたくて、書棚からちくま文庫版『思考の整理学』を取り出してみました。うっ・・・字が小さい・・老眼鏡なしには読めません(涙)
巻頭の『グライダー』という文章は特に教育に携わる人間に示唆するところ大。
人間にはグライダー能力と飛行機能力がある。受動的に知識を得るのが前者、自分でものごとを発明、発見するのが後者である。両者はひとりの人間の中に同居している。グライダー能力をまったく欠いていては、基本的知識さえ習得できない。・・・中略・・・しかし、現実には、グライダー能力が圧倒的で、飛行機能力はまるでなし、という“優秀な”人間がたくさんいることもたしかで、しかも、そういう人も“翔べる”という評価を受けているのである。
学校はグライダー人間をつくるには適しているが、飛行機人間を育てる努力はほんのすこししかしていない。学校教育が整備されてきたということは、ますますグライダー人間をふやす結果になった。

これから必要とされるのはグライダーにエンジンを搭載したグライダー兼飛行機のような人だそうです。「おっ『風の谷のナウシカ』のメーヴェじゃん!」と思う私ってオタクなのかな?


                 *
昼休みにお弁当を買いに外出した時、美しい小枝が道に落ちていました。赤い花?と思って手に取ってみたら、もみじの種でした。


竹とんぼの羽根のような部分の根元のぷっくりが種です。この羽根で風に乗って、なるべく遠くに新しい命を運ぶそうです。植物は色々な戦略を用いて、種の存続をはかるのですね。