国立能楽堂


昨日は大学時代の友人N美ちゃんのお誘いで、国立能楽堂スペシャルに行ってきました。この日は狂言と落語・講談という異種芸能のクロスオーバーを楽しむ企画でした。初めて国立能楽堂千駄ヶ谷に入りました。
まず宝井琴梅の講談『梅若丸』、続いて、古今亭志ん輔の『子別れ 下』 休憩をはさんで、和泉流狂言『六人僧』で終演というプログラムでした。
能舞台の上はやはり畏まった雰囲気なのか、座布団の上から志ん輔さんが、「ヤですね〜。お客さんが大名みたい。(柱で舞台が見えにくい中正面の席の方をみて)こちらは庶民の方々ですね〜。」と枕で言っていました。ちなみに大名と庶民のチケット代の差は2000円でした(笑)
『六人僧』は野村萬斎がシテ。高野山に参詣に行く男三人のお話です。「まんさい殿」「ひろはる殿」とお互いの名前を呼び合っていたので、てっきり落語の「大山詣りhttp://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/02/post_24.html狂言に翻案再構成したのだと思ったら、逆でした。この狂言が「大山詣り」の元ネタだそうです。N美ちゃん、ウソを教えてごめん(^^ゞ
三人が大真面目に決して腹を立てまいと誓いを立てるところや同じ格好で寝ている姿。悪ふざけで、熟睡している萬斎の頭を丸める時に反対側も剃るために、耳に水をたらして寝返りさせるところが妙にかわいかったです。客席は終始クスクス笑いに包まれていました。伝統の力恐るべし。比べるつもりはありませんが、アウェイの講談・落語チームより、狂言チームの方にホームの利があったようです。
終演後、ユーハイムでビールを飲みながら、ちょっぴりおしゃべり。N美ちゃんは(たぶんストレスで・・・)片耳が聞こえなくなったことがあったそうですが、聴力が戻ってきた時に最初は耳鳴りのような音が聞こえてきたそうです。それは体内の血流の音なんですって!普通は無意識の内に聞かないように消去している音がまず聞こえたそうです。たぶん赤ちゃんにも聞こえるのでしょうね。成長にともなって、都合よく聞き逃したり、見逃したりして、過剰な刺激をさけることができるようになるけれど、それができない人や時もあるんだなぁと認知の不思議を感じました。