五百羅漢 幕末の絵師 狩野一信


6月5日(日)は江戸東京博物館へ。ここって無駄に巨大な建物で、もったいないオバケが出そう・・・、と思ったらスパイダーマンの巨大な腕が!(本当はエスカレーターです)

鈴木ハコモノ都政の遺産ですね(-_-;)

でも、学芸員さんたちはがんばってくれてます。今回の五百羅漢展は《この絵師を知ってもらいたい!》という意欲にあふれていました。

一枚に5人ずつ羅漢を描いて、百枚で五百人を描くという宗教心から来る力技。二枚ひと組になっているので、たまに4人と6人という変則配置もありました。羅漢には必ず金色の光背が頭のまわりについているので、一枚一枚の羅漢さまを指差し確認してしまいました。気分はゴレンジャー探し。それにしても、洋の東西を問わず、聖者の絵には光背がつきもの。オーラって昔から見える人にははっきり見えたのでしょうね。
力の入った地獄の図も良いのですが、ちょっと気の抜けたような日常を描いた浴室や監修者の山下裕二氏が羅漢動物園とたとえた禽獣も見ていて楽しかったです。
これだけの量なので、工房で弟子たちの手を借りつつ制作したのでしょうが、没後に弟子と奥さんによって描き継がれた寒々しい96幅以後と見比べると、一信の作家性と迸るエネルギーを痛烈に感じることができました。
美術展のお土産売り場に「星の林」「月の舟」というお線香が売られていました。高価だったので手がでませんでしたが、良い香りでした。
天の海に 雲の波立ち 月の舟 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ  柿本人麻呂
この歌には万葉集とは思えないモダンさを感じます。

博物館の売店長命寺の桜餅を購入。三枚の桜の葉につつまれた香り高い桜餅です。