猫に逢いに平塚へ


昨日は長谷川潾二郎展の最終日だったので平塚市美術館まで足をのばしました。新宿でタイミング良く11時発の東海道線直通小田原行きの湘南新宿ラインに乗り込み、ラッキーと思いきや、横須賀線で人身事故があった影響で1時間近くも到着が遅れてしまいました。もっとも、車内で読む本を2冊もカバンに入れていたので、時間つぶしには不自由しませんでした。
平塚駅から1.2キロとHPに書いてあったので、バスには乗らずに歩いて行きました。適当なお店があったら、お昼ごはんを食べたかったのですが、残念!見当たりません。美術館のカフェも待っている人が列をなしていました。
長谷川潾二郎展―平明・静謐・孤高―は大人気でした。図録も絵葉書もすべて完売。チラシはリソグラフで増刷しましたという感じ。男女比は3:7位かなぁ。
ヴィルヘルム・ハンマースホイ展(国立西洋美術館)」http://www.tokyo-art.info/web_gallery/web_seiyo.htmの時も思ったのですが、この画家は人間嫌いなのでは・・・とさえ思わせるような人の気配の薄い、静かな絵が今の日本人の心況にはピタッとくるようです。色でたとえると青みがかったグレーな感じ。メランコリアの時代なのかな?
静物画の陶器などの肌に窓が映り込んでいる中におぼろげな人影を描き入れている作品が5点ほどありました。日曜美術館でも言及されていたのですが、画家自身の影なのでしょうか。立像だったり、倒像だったりする影は現在絵を描いている姿ではなく、窓辺で全体を眺めている姿なのが面白いなと思いました。
函館美術館所蔵の「アイスクリーム」の絵の額がキャンバスの幅の木を無造作に枠の形に組んだだけだったことも不思議でした。高校の文化祭で美術部員の油絵は同じようなシンプルこの上ない額装で出品したものですが・・。
猫のTAROは絵の中で本当に幸せそうに寝ていました。敷き物の色は上の写真ほど赤くなくて、ピアノの鍵盤カバーをもうちょっと濃くした色でした。実物を見られて良かったです。絵の隣にTAROの履歴書が貼ってありました。趣味と賞罰の文章が楽しく、左隅に本人(?)の肉球スタンプ付き。もし猫か犬を飼うことがあったら、私も真似しようと心に誓いました。
帰りは行きとは違う道を歩いてみました。市役所はコンクリート打ちっぱなしの昭和の香りのする建物でした。定礎を見ると昭和39年。東京オリンピックの年です。平塚名物の七夕飾りが風に揺らめき、芝生と蘇鉄が湘南らしい雰囲気を漂わせていました。

市役所の南側は広い公園になっていて、平塚市の木である楠が若葉をきらめかせていました。アオスジアゲハは楠が食草なので、夏になると沢山飛ぶのではないかしら?
横浜ゴム平塚製造所記念館という洋館にも入ってみました。隣に戦没者慰霊塔があったので黙礼していたら、TARO似の猫発見。最初はフ〜ッと威嚇してきましたが、しばらく話しかけていたら、優しい顔になりました。



公園をあっちに行ったり、こっちに行ったりしているうちに方向感覚が狂ったらしく、帰り道で迷子になりました。一人の時は迷子になっても結構気楽。お昼ご飯を食べ損ねたまま、駅の近くまで来て、パスタにありついたのは4時半すぎでした。
小旅行の気分を味わえて満足な一日でした。