ボルゲーゼ美術館展


   一角獣を抱く貴婦人
昨日、桜が満開の上野公園内、東京都美術館に行ってきました。東京都美術館はこの展覧会を最後に大規模改修のため2年間閉館になるということです。
ルネッサンス絵画は人生肯定!人間万歳!なせいか、生々しい裸が沢山見られました。(笑)そんな中でプレシャニーノの「ヴィーナスとふたりのキューピッド」は青みがかった色調に陶器のような肌でクールビューティーぶりが際立っていました。ボルゲーゼ美術館ではクラナッハの「ヴィーナスと蜂の巣をもつアモール」と対になって展示してあるそうです。
ボッティチェリとその弟子たち作の「聖母子、洗礼者ヨハネと天使」は目玉のひとつなだったのでしょうが、ヘンテコな絵でした。ボッティチェリの名誉のために、《その弟子たち》とクレジットされているのかしら?と思うほど、手前のヨハネ小人さんのように小さく、聖母は顔は綺麗だけど、身体がゴツく、天使たちは顔がデカイ!「ボッティチェリさん、アートディレクターとして、もうちょっと何とかならなかったの?」と心の中で問いかけてしまいました。
ボルゲーゼ美術館所蔵の油彩は修復を積極的に行っているのか、500年以上前の作品でも色彩がかなり鮮やかでした。ラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」は後世の画家にマントを描きくわえられたり、一角獣を車輪に変えられたりして、聖女の絵に変身していたそうです。修復されて元の絵に戻った実物は写真で見るより、空の色が明るくて、清明の気にあふれていました。
カラバァッジョの「洗礼者ヨハネ」は武田真治に似てるなぁと思いました。渋澤龍彦さんが好きそう・・・とも。

リドルフォ・デル・ギルランダイオの「若者の肖像」は堂本剛と似ていました。特にいつも少し不満そうな口元が。(笑)
不思議パワーで多くの観客を惹きつけていたのが、ヤコボ・ズッキの「アメリカ大陸発見の寓意(珊瑚採り)」「着衣のマハ」の顔に似た眉の濃い女性がまるでクローンみたいに同じ顔して手前にいて、それぞれポーズをキメています。後方には珊瑚を採っている人たちが沢山。小さな絵ですが、銅板に油彩というのも面白いなと思いました。