柳家小三治独演会


3月最後の土曜日は三鷹公会堂で柳家小三治独演会が定例になっています。ちょうど桜の開花時期なので、年ごとの開花状況が記憶に残って良い感じ。
今年はせいぜい2分咲きかな・・・。
私と同い年の真打ち柳亭燕路師匠がまず「粗忽の釘」を一席。一昨日まで、「アスペルガー症候群」(岡田尊司幻冬舎新書)を読んでいたので、スーパーウルトラ粗忽者の大工さんが大人のADHDに見ていてきました。そんな亭主に愛想をつかさず、「おまえさん、落ち着きゃ一人前なんだよ。」と励ます、くっつきあい(恋愛結婚)のタフなおかみさんがカッコいいな。
続く小三治師匠。出ました!長い長い枕。俳句の話を延々と・・・。自分の俳句は目でみたことをスケッチする作風だと言ってから、落語も同じで言葉を覚えて語るのではなく、目の前で起きていることを人物になりきって語っているのだとサラリと話していました。物覚え悪いですから・・・と笑いながらの話でしたが芸の本質にかかわるポイントだと思いました。
自分の俳句「やわらかく 闇を引き裂く 蛍かな」が入船亭扇橋師匠の添削で「蛍ひとつ 闇の深さを 忘れゐし」。それでは洗練されすぎなので、強すぎる表現の引き裂くを変えて「やわらかく 闇を切りゆく 蛍かな」とすると、俳人の鷹羽狩行氏が「やわらかき 闇を切りゆく 蛍かな」と添削。「く」が「き」に変わるだけで、確かににスケールの大きい俳句にはなったけれど、私のもともとの俳句はズタズタです!!!の言葉に会場が沸きました。そうこうするうち「茶の湯」に。「茶の湯」が終わった時点ですでに15:50。仲入りが終わったらほとんど終演時刻でしたが、特に枕をはしょるでもなく、開運なんでも鑑定団の話をしてから「猫の皿」へ。零落した茶店のおじいさんの品が良さとしたたかさが最高。俳優でたとえれば、笠智衆。大幅に押して終演するやいなやまなじりを決して会場を飛び出した人たちは、東京厚生年金ホールに移動して談春を聴くのかな?うらやましいな〜。
ところで、今回は真後ろの席の男性がすごいいびきをかいて爆睡していました。あまりに大きないびきなので、前方のお客さん都合10名余りが振り返ってこちらを見ていました。その男性には連れがいたのに、何で起こしてあげないんだろう?と不思議でした。しかもいびきのご当人、帰りにロビーに貼り出されたお題を携帯で撮影してるんだもん。寝ていたアナタに資格はないよ!
三鷹まで歩いて帰る途中、武蔵野手打ちうどん「小町」で晩御飯。ここのもつ煮こみはとても美味。うどんも天ぷらも美味しいですよ。夜は17:00〜なので、今日は終演が押したから良いタイミングで入れました。マチネが普通に終わるとOPEN前、ソワレの終演後だと閉店になってしまいます。
写真は昨日の夕方の雲。豚バラ肉みたいで面白いので撮影しました。ちなみに武蔵野うどんはつゆに豚バラ肉が入っていて、つゆがちょっとこってりしているのが特徴です。