柳家喬太郎独演会


 12/12(土)星のホール@三鷹で聴いてきました。サブタイトルが“師走、忠臣蔵にてご機嫌伺い候”。開演前の諸注意はこの日も絶好調でした。コンビニの袋や・・・の次に書店の袋という言葉が入っていたのが新機軸かな?確かにカサカサ音って気になるものね。
 喬太郎師匠の『聖夜の義士』、柳亭市馬師匠の『七段目』、中入りの後、市馬師匠のスペシャル・サプライズ歌唱『元禄名槍譜 俵星玄蕃(げんろくめいそうふ・たわらぼしげんば)』そして、〆は喬太郎師匠の『俵星玄蕃』。実はいままで映画でもドラマでも忠臣蔵モノを全編クリアしたことがないという非国民な私も「やっぱ、日本人なら忠臣蔵でしょ!」と鼻をうごめかしたくなるくらい満足しました。
 喬太郎師匠の落語は座布団の上の一人芝居に近いと思いました。『聖夜の義士』では大詰めで泣きそうになりました。「すごいナレーターはメニューを読んでも、観客を泣かせることができる」と聞いたことがありますが、喬太郎師匠の間の取り方、声の使い方・・・まさにそれでした。ある意味バカバカしいような噺なのにリアリティーが成立してしまう。語り(ナラティブ)の力に感服。
 市馬師匠の歌。「うわ〜笑いながら歌ってるよ。それって、良い声を出す秘訣なんだよね。この歌知らないけど、顔と動きから推理すると三波春夫の持ち歌だよ。すごい迫力!琴線に触れるってヤツですか〜?」いたく感動して、家に帰ってすぐにYou Tubeで検索しました。(笑)http://www.youtube.com/watch?v=7-9tOInpagY
 市馬師匠の圧倒的な歌で沸きに沸いた客席でしたが、喬太郎師匠が枕(真打ち披露パーティーの余興は市馬師匠の歌が定番です&落語家で忠臣蔵をキャスティングするなら・・・やっぱ吉良はあの人でしょ・・)の後で『俵星玄蕃』に入ると、一瞬で元禄時代の冬の本所につれていかれて静かになりました。客席の電気を落としたままだったこともあり、すごい緊迫感。師匠はノドがいがらっぽいのか時々くしゃみをしたり、ちょっと噛んだりもしていましたが、私は気になりませんでした。
 とてもとても満足して家路につきました。写真は三鷹駅前の欅の電飾。ビルのガラスに映って2本に見えます。