磯崎新  12×5=60展


昨日は畑の後、新宿に出て、水餃子食べ放題の四川料理ランチを食べ、外苑前に移動。ワタリウム美術館に行きました。今回の展覧会は荷物をコインロッカーに預けて見るスタイル。メモ帳と鉛筆くらいはポケットに入れておけばよかったな・・・とちょっと後悔しましたが、手ぶらで館内をうろつくのはとても気分が良かったです。

磯崎新氏の建築外の仕事を主に俯瞰する展示。建築の仕事を氷山の海水上に出ている部分と喩えると、水面下の教養ベース部分になるのかなぁ・・・。その質と量に圧倒されました。建築家として世界を飛びまわり、巨大コンペにエントリーし、いくつかは勝ち取り、実現し、更に今回展示されているようなユニークな仕事の数々&著述。一日24時間は誰にも等しく与えられているのに、どう時間をやりくりして、仕事をし、大勢の人たちと関わってこられたのかしらん・・・凄い人がいるもんだ・・・と感嘆。才能?集中力?努力?体力????

特に興味深く見たのは、イサム・ノグチ「あかりと石の空間」展会場構成、映画『他人の顔』(勅使河原宏監督)の美術、ヴェネチア・ビエンナーレ建築展「亀裂」、パリ装飾美術館で開催された「間――日本の時空間」展とマリリンモンローのヌード写真の曲線を使って作った定規でした。

メモ帳を持たなかったので、うろ覚えですが、「あかりと石の空間」展は会期が短く、永続的な建築を生業とする人間としては、《迷い込んだ小鳥との対話の面白さ》を感じたというような記述がありました。
今回の展示の核となっている軽井沢の別荘にある空中書斎《鳥小屋(トリーハウス)》の実寸大模型といい、モンロー定規の曲線を使って構成した鳥籠に翼を持つ人が閉じ込められている、Angel Cage といい、小鳥(翼)は磯崎氏にとって、建築以外の仕事における結構重要なモチーフなのではないかなと思いました。余技、自由、あそびのメタファー?

「間――日本の時空間」展に日本文化を現わすトピックとして《ヒモロギ》という言葉も提示されていました。知らない言葉だったので、家に帰ってから、検索してみました。漢字で書くと《神籬》。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%B1%AC
1978年開催されたそうですが、カワイイ文化的な展示もあり、面白そうな内容でした。
なんと!芸大美術館ミュージアムショップで磯崎氏が再構成したカタログ『間 - 20年後の帰還』が購入できるようです。
http://www.geidai.net/zuroku/233.php