夢二からちひろへ―子どもの本の先駆者たち


自宅より徒歩727歩(約500m)のちひろ美術館・東京で11月6日より《夢二からちひろへ》が始まりました。ブロガー特別鑑賞週間に応募して、招待していただきました。
11月7日 開館早々の10時に入館。クリスマスっぽいディスプレーがお出迎え。


こちらは『ゆきのひのたんじょうび』の帽子と手袋ですね。なんてかわいいのでしょう!

ゆきのひの たんじょうび (至光社国際版絵本)

ゆきのひの たんじょうび (至光社国際版絵本)

HPでドレスコード特典をチェックしていたので、紫色のTシャツに紫色のストールを巻いて行きました。ご招待で入館して、更に招待券をGET!ちょっと面の皮 厚すぎ?でも、楽しい企画には乗らなきゃソンソン♪ってことで。


子どもの本の先駆者たちとして取り上げられていたのは、竹久夢二・清水良雄・武井武雄初山滋・岡本帰一・深澤省三・村山知義茂田井武いわさきちひろの9人。大正モダニズムの只中で描かれた童画は流行中の東欧雑貨に通じるような、懐かしさのあるおしゃれ感。
館内は撮影禁止ですが、許可証をつけて撮影させていただきました。

清水良雄さんの描く『赤い鳥』の表紙はどれもため息が出るほどおしゃれでした。マンガ家の高野文子さんはこの頃の童画がお好きなのではないかしら?

おともだち

おともだち


第二展示室入り口正面の関連年譜が大変な力作でした。明治から大正、昭和にかけての子どもの本の動きが歴史上の重大事件と並べて示されていて、左側には取り上げられた9人の画家の生年から没年までが↕で示されています。大正モダニズムが花開いた時代から、太平洋戦争へと至り、また戦後復興をとげる歴史の流れとその只中で子どものため、未来のために画業に励み、出版を支えた人たちの動きがわかりやすくまとめられていました。PDFファイルにしてHPに載せてもらいたいくらいです。

戦時色を感じる資料もいくつかあり、「児童」が「小国民」という言葉に替わり、子どもの本が戦意高揚に利用された歴史も押さえられています。戦争になった時一番被害を被る小さき者たち。弱者への視点が常にぶれていないところが好きです。空気のように静かに館内に満たしているものながら、いわさきちひろさんの遺志を継ぐ、この美術館の背骨の部分だと感じています。

私の今回のお気に入りは清水良雄と初山滋茂田井武
特に茂田井武は『セロひきのゴーシュ』しか見たことがなかったので、他の作品を原画で見られてうれしかったです。明るい色彩、闊達な描線、『アヒルノボウヤ』の習作を見て、堀内誠一片山健長新太井上洋介の作品を思い出しました。


茂田井武 ピアノ、ラッパ、ゲックゲック ウレシクテタマラナイ
1947年『アヒルノボウヤ』習作


茂田井武 おめでとう
1956年 「キンダーブック」1957年1月号(フレーベル館


これは我が家の『セロひきのゴーシュ』福音館書店 奥付を見たら、1995年の版でした。ふぇ〜〜あっという間の20年!

ちひろ美術館・東京は建築も素敵です。設計は内藤廣氏。


子ども心をくすぐる《すみっこ》と《すみっこ》にあっている展示什器。


外壁に映る欅の影。

ちひろの庭と駐車場まわりで撮影した植物。



駐輪場のマーク

駐車していたジープが絵になっていました。

良く晴れた秋の一日に美術館に散歩に行くしあわせを堪能しました。ご招待ありがとうございました。
あ・・・でも本当は自転車で行ったのでした・・・(汗)