宝箱 齋藤陽道写真展


新聞屋さんからもらった招待券の有効期限が3月9日だったので、昨日つれあいと一緒に落語@三鷹の前に外苑前のワタリウム美術館に行きました。
30歳の写真家、齋藤陽道の初めての大掛かりな展覧会です。齋藤は2008年ごろから写真に取組み、2010年には写真新世紀の優秀賞を受賞し、3.11以降さらに独自の世界観を発展させています。展覧会では、写真プリント160点、プロジェクターにいよるスライドショーで200余点の写真を一堂に展示します。病気の人、障害をもつ人、ゲイやレズビアンなどマイノリティの方々のポートレイトを多く撮っている齋藤が常に感じ、心に問いかけていることがあるといいます。生きることに苦しさを感じてしまう現代にあって、齋藤はあやういがすぐそばに存在する「感動」を見つけ出し「それでも世界は黄金色」と私たちに語りかけます。そんな齋藤の写真は、アートの世界を飛び出し、時空を超え、もっと別な根源的な問題で私たちを強く引き付けます。なぜかその写真を見ると勇気が湧いてくるのです。

これはチラシに載っていた展覧会の紹介文です。


「せかいはまるごとわたし」という思いのままに見ることを、こどもという師匠から学ぶ。
こどもを撮った写真の下に記されていた、作者の言葉に深く共感しました。
大好きな長谷川摂子さんも「7歳までは神のうち」「(こどもにとって)世界はボクだ!世界はワタシだ!」とおっしゃっていました。「自分の関心を引くものは大きな自分自身」「自分自身が物の中に拡張している」とも。齋藤陽道さんの写真も被写体に自己が大きく投影されているように感じました。
時間の関係でスライドショーを全部見ることができなかったのですが、ベンチに腰掛けて見ていた二人の女性が途中から手話で会話を始めました。共有したい思いをその場で内緒話できるんだなぁと驚きました。齋藤陽道さんもろう者だそうです。「音楽は永遠の片想い」という、奏でる人たちを撮影したコーナーもありました。


青山でも沈丁花が開花していました。
お天気が良かったので、ワタリウム美術館から千駄ヶ谷まで歩きました。
団地の石垣にスミレの花。

この石垣、思わず登ってみたくなるような、オウトツがある組み方がされていました。