古径と土牛


昨日は恵比寿に行って、美術館のハシゴをしました。
まず、山種美術館で《古径と土牛展》 小林古径奥村土牛は同門で6歳違い。後輩土牛の塾頭でもあった古径への敬愛の情が伝わる文章が掲示されていました。また、同じ画題を描いた作品を並べて展示してあるので、作風の共通点や違いを見比べる楽しさがあります。山種美術館の作品の選び方と展示法は見る人にとても親切で偉ぶっていないところが好きです。見事な編集感覚。大部分が山種美術館の収蔵品なのですが、今回は古径作品を霊友会妙一記念館、東京国立近代美術館横浜美術館から数点借りてきていたので、はじめて見る作品も多く、とても楽しめました。
繊細で凝集的な感じがする古径作品と大らかで開放的な感じがする土牛作品。作風はかなり違うのですが、これ見よがしなところのない品の良さが共通していました。二人の師、梶田半古先生は画品というものを重んじたそうです。

狗の絵の近くに、古径の文章も掲示してありました。
・・・・・だから私は制作の前にまず表現しようとするものの感じをしっかり把握することに努める。それが出来た上で写生にかかる。

見て、感じて、表現する。子どもの造形表現も同じだと思いました。感じることを抜きにして、製作キットみたいなもので作品作りを指導するのはとてもヘンなことだと思うのですが・・・。考えたら指導するっていうのもヘンですね。表現を引き出す誘い水になるような導きでありたいです。