竹内栖鳳&速水御舟


いただいていた招待券の有効期限がともに10月6日だったので、昨日つづけて見てきました。竹内栖鳳は竹橋の国立近代美術館。速水御舟は恵比寿の山種美術館です。
竹内栖鳳は元治元年(1864年)生まれ。画家としてのスタートは明治15年。取材(スケッチ)に行くにも鉄道網は整備されていなかったので、船や人力。すごいエネルギーをかけて、膨大な作品を仕上げたのだなぁと圧倒されました。
後年パリ万博や中国にも行っています。『南支風色』という中国の風景を描いた作品がとても気に入りました。橋の上を灰色の豚の群れが渡っていたり、床屋さんが店を開いていたりして、街のざわめきが聴こえてくるようです。パステル画のような明るく軽快な色調でした。『南清風色』もほぼ同じ構図なのですが、私はより色鮮やかな『南支風色』の方が気に入りました。
ヨーロッパ外遊中に書いたハガキの文面が面白かったので、メモしてきました。
小児には気のつまる事のみさしては悪し (1900年10月23日)良いお父さんだったのでしょうね。あと、かなりの動物好きだと思います。動物が出てくる絵の点数が多いだけでなく、それぞれに絵のモチーフ以上の愛を感じました。資料用の動物や鳥の写真もずいぶん持っていたようです。

国立近代美術館の常設展で速水御舟の『京都の家』『奈良の家』も見てきました。

上が京都、下が奈良です。赤い家の屋根のソリが滋賀県の観音ツアーで見た民家の屋根とそっくりでした。関東地方の屋根では見たことのない曲線。

竹橋から恵比寿への地下鉄に乗って移動。竹橋駅山種美術館の袋をさげて階段を上がってくるご夫婦とすれ違いました。我が家とは逆ルートでハシゴしていたみたいです。どちらの会場もアラ還のご夫婦がすご〜く多かったです。


お濠で魚が何匹もはねていました。鯉かな?鮒かな?

山種美術館では大好きな『炎舞』や『翠苔緑芝』『昆虫二題 葉陰魔手・粧蛾舞戯』が見られて幸せでした。速水御舟はかなりの虫好きなんじゃないかな?なすの絵にもショウリョウバッタがいました。

『灰燼』という関東大震災を描いた作品も展示されていました。『風立ちぬ』の関東大震災のシーンを思い出してしまいました。