落水荘のすべて

「落水荘」のすべて

「落水荘」のすべて

図書館にリクエストしていたこの本が届いたのは、四国旅行の一週間前。寝る前にポツポツ読んでなんとか返却日前に読了しました。

落水荘フランク・ロイド・ライト(帝国ホテル、自由学園 明日館もこの人の設計)設計の有名な山荘。1935年落成。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%90%BD%E6%B0%B4%E8%8D%98
滝の上に建っていて、川にあった岩がそのまま暖炉に使われていたりする自然と一体化した不思議な建物です。手すりなどはチェロキーレッドという、ネイティブアメリカンが使う色のペンキで塗っています。ライトは日本美術にも強い関心を持っていたそうです。落水荘には北斎の滝を描いた浮世絵の影響があるという説さえあるらしいです。
イサム・ノグチ第二次世界大戦中、日系人収容所に入れられてしまった時、救いの手を差し伸べたのもフランク・ロイド・ライト。福島で見てきた、《若冲が来てくれました展》で膨大なコレクションを無料で貸してくれた、ジョー・プライス氏が最初に若冲の作品を購入したのは、フランク・ロイド・ライトのお伴で入った日本の骨董店だそうです。購入したのは葡萄を描いた掛け軸。

落水荘の施主の息子(カウフマンJr)もライトの弟子でした。江戸美術コレクターのプライス氏のお父さんはプライス・タワーの施主なので、やはり息子さんを弟子のようにしていたのかもしれません。

年齢を重ねて、記憶力はどんどん衰えていますが、知っていることと知っていることを関連づける力だけはUPしたような気がします。老人には結晶性知能と呼ばれる総合的判断力があり、感情に引きずられない平等な判断力が加齢と共に増していくのだそうです。まだまだ向上の余地はあるみたいなので、結晶性知能を高めるべく日々精進したいと思います。


今回の本と旅行のシンクロニシティー(偶然の一致)はちょっと嬉しかったです。