イーゼル


私は子どもの時にうれしかったことや悲しかったことをかなりしつこく覚えている方だと思います。
幼稚園には一年間通いました(当時はそれが普通)。入園した時は小学校に併設された園でしたが、途中で独自の園舎が新設され、家からは遠くなりました。
新しい園だったからか、アトリエがあって、水彩絵の具ではありましたが、イーゼルに向かって立って絵を描いていました。クラスはうみ組とやま組があったこと、お弁当をストーブであたためたので、お昼頃には食べ物の匂いが部屋に充満したこと、いもほり遠足の後、ふかしいもを食べたこと、そのいもに真っ赤な缶詰のチェリーが一個添えられていたこと、巨大なベーゴマみたいなものの上に立ってバランスを取ってあそんだこと・・・結構色々覚えているのに先生の記憶は皆無。先生志向の子どもではなかったのでしょうね〜。それにしても非人情?
立って絵を描くと腕がのびのび動いて気持ちが良いです。
今日の午後、子どもたちとシャボン玉をして遊んだのですが、最後まで残って吹いていた三人のうちの一人の女の子が、シャボン玉の吹き口を玄関横のガラスに当てて、何かお話をしながら絵を描く動きをしていました。あまりに真剣だったので、筆を持ってくると、ヨーグルトパックに入った水でコンクリートの壁にお絵かきを始めました。他の二人もすぐに真似して、気分は絵描きさん。私も便乗して、虹を描いたり、線路を描いたり、虹の下に万歳している子どもたちを描いたら、「ママも」「パパも」とリクエストされました。ニコニコマークに手足が生えた棒人間でも、ちょっと大きめに描いただけで、「ママだ♡」「パパだ♡」と、うっとり指さす子どもたちでした。愛されてますね!ママ&パパ。
記憶で書いているので自信はないのですが、トムソーヤーが塀にペンキを塗ることを家族に命令されて、本当はイヤイヤやっていたのに、すごく楽しそうにやることで、友だちにアウトソーシングしちゃう(しかも参加料を取って!)というエピソードがあったような・・・。

きっと みんな よろこぶよ! (児童図書館・絵本の部屋)

きっと みんな よろこぶよ! (児童図書館・絵本の部屋)

そういえば、こんな楽しい絵本もあります。親が留守の間に子どもたちが親切心から家じゅうにペンキを塗ってしまうお話です。ピーター・スピアーの達者な絵が生かされていて、説得力バツグン。全身を使って、筆を動かすのはやっぱり楽しいものなのですね。
いかにもアメリカ〜って感じの美邸が・・・(手前のママがパパにペンキ塗りをお願いしてます。子どもたちはそれを聞いていました)

子どもたちの親切心で、こんなことに!

地下室にあったペンキは使いつくされて、空き缶の山になってます。古き良きアメリカではDIYが当たり前だったのでしょうね。お隣さんの呆れ顔も楽しい。

見返しにも三人と二匹の足跡が点々とついていて、表紙につながっています。