はなをくんくん


今日も中瀬幼稚園に行って、おはなしをしてきました。今年度最後なので、心を込めて『マメ子と魔物』(イラン民話)を語りました。鍋からこぼれおちた豆から生まれた女の子が大活躍するお話。村の娘たちと落ち穂拾いに行き、仕事の後で日が暮れるまで遊んでしまったために魔物の家に泊まることになるけれど、機知で切り抜けて魔物をかまどに押し込み無事に帰ってくるというストーリーです。子どものたちが真剣に聴いてくれているのが伝わってきました。

子どもに聞かせる世界の民話

子どもに聞かせる世界の民話

『マメ子と魔物』はこの本に紹介されています。1964年に出版されました。約半世紀前!民話の選択も翻訳の文章もすばらしい本です。責任編集者の矢崎源九郎さんは1921年に生まれて、1967年に亡くなられたそうです。享年46歳?この本を出版した時は43歳かな?若い!ポール・アザールの『本・子ども・大人』の翻訳者でもあります。早世が惜しまれます。http://d.hatena.ne.jp/fumfum235/20091220/1261306208

はなをくんくん (世界傑作絵本シリーズ)

はなをくんくん (世界傑作絵本シリーズ)

今日も粉雪がちらついていたので、おまけに『はなをくんくん』を読みました。雪の中でねむっていた動物たちが目を覚まして、はなをくんくんしながら駈けていくと・・・。
動物たちがかなり写実的なのに、黄色い花がデザイン的なのは何故なのかな?春の象徴としてあえて特定される植物を避けたのかしら?いつもこの絵本の黄色い花にはちょっと違和感を感じます。全編モノクロの中で花にだけ黄色を使っていることはすてきなのですが・・・。動物たちの柔らかい毛皮の感じや表情、雪の森のふんわりした仄明るさは大好き。この絵本は1949年生まれ、福音館書店から翻訳絵本が出版されたのが1967年。名作は古びないものですね。原題は『The Happy Day』でした。