琳派から日本画へ&山下裕二氏講演会


今日はつれあいと恵比寿の山種美術館に行きました。駅近くの飲み屋さんのショーケースに恵比寿さんとビリケンさんが飾ってありました。

大好きな酒井抱一の『秋草鶉図』が見られました。月は銀が酸化して黒くなったわけではないそうです。
柴田是真の『浪に千鳥』は井上雄彦っぽかったです。劇画チック!
西郷孤月は師である橋本雅邦の娘と結婚したけど、師とケンカした末、離婚。台湾に渡ったものの体調を崩して、帰国。ほどなく急逝したというドラマチックな人。長野県松本出身だそうです。山種美術館所蔵の『月』『桜』『柳』は良いな。前回見た時も心惹かれました。

美術展を見てから、国学院大学院友館に移動し山種美術館主催山下裕二氏の講演会に参加しました。定員200名でしたが、あっという間に満員になって〆切ったそうです。山下裕二氏監修の狩野一信展がとても面白かったので、http://d.hatena.ne.jp/fumfum235/20110607/1307456854
興味津々で参加しました。
で・・・期待通りでした。話術が巧み。『私の琳派観−宗達光琳・抱一から戦後デザインまで−』というタイトルで話しつつも、レジュメにも《じつは、ハッキリ言って、琳派ってなんか好きじゃないんだよね》のお言葉。評価の定まった作家より、「おおっ!これイケてるんじゃない?その割には広く知られていないゾ」という作家を応援することを生きがいになさっているようにお見受けしました。ちょっとアマノジャク。ダークホース狙い。好きだな〜。

俵屋宗達風神雷神図の雷神の太鼓の輪が切れていることからくる広がり感。《琳派はトリミングが命》という指摘が納得できました。
蔦の細道屏風は2008年に東京国立博物館平成館で『対決 巨匠たちの日本美術』を見に行った時、一番気に入った作品。すごく現代的なデザイン感覚だと思いました。
http://www.asahi.com/kokka/masterpiece/images/t11.jpg
屏風の左右を入れ替えても成立する(離合山水というそうです)ということは知っていましたが、落款が歩く人の形になっているというのは初耳でした。面白い。遊び心がありますね〜。これは伝 宗達らしいです。

↑左右の屏風が並んだところ

↑向かって左側の屏風

↑向かって右側の屏風

字を書いた人(名前忘れました)の落款。緑の丘をテクテク歩いてます。
 ⇒五島美術館に行って別の色紙を見たら思い出しました。烏丸光広でした。

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小林太市郎先生による光琳の紅梅白梅図屏風のエロ解釈というのがあまりに面白かったので、書きます。
この絵は《嬲》。真ん中の流水が女体。白梅はちょっと年寄りの男でおずおずと女体の胸に手を伸ばしている。紅梅は若い男でイチモツをおったてて女体のお尻めがけてイザ!と歩み寄っているところ。う〜〜〜ん笑ってしまうけど、そう言われるとそう見えてしまうものですね(笑)

会田誠さんの日本画における琳派や日本美術からの巧みな引用と変奏を紹介してくれたのも面白かったです。森美術館の『会田誠展 天才でごめんなさい』は「残酷だ」というクレームが入って物議を醸しつつ、大人気らしいです。
でもね〜私としては、何と言っても、知的操作とは全然無縁のヴィヴィアンガールズの実物が見てみたいです。

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帰りにアトレ恵比寿のお蕎麦屋さん《花旬庵》で食事しました。ビールが美味しかったです。エビスビールじゃなくて、アサヒスーパードライでしたが・・・。

海老天2本と舞茸、さつまいも、大葉、レンコン、かぼちゃののった天丼とお蕎麦のセット。1000円。天ぶらがカラリと揚がっていて美味しかった〜。

こちらはつれあいが頼んだ、親子丼とお蕎麦のセット。920円。