ソローニュの森

ソローニュの森 (シリーズ ケアをひらく)

ソローニュの森 (シリーズ ケアをひらく)

上の本を図書館にリクエストして、借りてきました。
フランスにある精神科診療所で撮影した写真集です。患者さんも医療関係者も私服なので、誰が患者さんで、誰がスタッフなのかは良くわかりません。静かな森や牧草地に囲まれた環境。馬やあひるも飼われているようです。村上春樹の『ノルウェイの森』に出てくる精神病院を連想しました。単なる森つながりかな?

森の片隅には、修復されないまま残された屋外カフェや使い古された機具、日向に日陰に咲く花々の片隅に置かれたベンチ、飼育小屋の馬や動物たち。サロンには、患者さんによって運営されるタバコ屋や、アルコールなしのバーもある。
 そのどれもが、機能を果たすためだけにつくられたものとは一風違ったものだなといつも思う。利便性を優先する「コード化」を拒み続けるためには常に闘う姿勢が必要だというウリ先生(*この診療所の院長先生)の話はよくわかる気がした。

本文中の文章を読んで、先日の清水眞砂子先生のお話を思い出しました。利便性追求が進むと生きている実感がどんどん希薄になっていく。同じことを言っていると思いました。