沢知恵  ライブ@ラ・カーニャ いいうたいろいろ秋

ライブ・アット・ラカーニャ秋

ライブ・アット・ラカーニャ秋

9/29(土)は成城ホールで行われた慶応病院小児科のお医者さまである渡辺久子さんの『子どもの発達障害を考える』という講演会に行きました。
私がこれまで素敵だなと思った子どもにかかわる仕事をする方は例外なく《子ども達が私の先生です》とおっしゃるのですが、渡辺先生もやはり同じでした。発達障害を持つお子さんは悪意などの毒があると鳴く、坑道のカナリアのような存在だそうです。また、発達障害は関係性の障害であって、問題を本人や保護者に求めないで、環境とうまく折り合っていく方法を考えることが大切。発達障害の人に優しい社会はすべての人に優しい社会だとお話されました。
重い自閉症のお子さんを育てたお母さんの経験談「短気を起こして叱って、良かったことはひとつもない。タイミングを見計らい、わかりやすい顔や形や言葉で叱る」という話はそのまま保育に生かせそう!と思いました。
また、イヤイヤ期を生煮えにしない。発達は不連続で、急成長する前はゴタゴタ混乱する時期がある。と反抗期の大切さを語っていました。保育室で担当している子どもたちが、「ヤヤ」「ヤダ」と言い始めたので、せいぜい生煮えにしないよう、ガッチリ受け止めたいと思います。
原発事故の直後、郡山に行った時の話も心に残りました。避難所で泣かせないように、お母さんが昼夜緊張して抱っこしていた赤ちゃんは2カ月なのに首がしっかりすわっていたそうです。危機的状況が発達を促進してしまったようです。放射能を恐れて、家に閉じこもらざるを得なかった子どもと保護者のために渡辺さんは絵本の読み聞かせ会を提案し、旧知の柳田邦夫さんを講演に招いたら、パートナーの伊勢英子さんも来て、それが『木の赤ちゃんズ』という絵本を制作する契機になったそうです。安曇野の『森のおうち』で作品を見てきたばかりのお二人がここでまた登場してびっくり。点と点をつなぐと星座になるように、見えない筋みたいなものってあるのかなぁと勝手に感慨しきり・・・でした。
人と人の響きあう関係性の大切さを説く講演会のあとは同じ小田急線沿線の下北沢で沢知恵さんのライブ。改札口で娘と待ち合わせして、いざラ・カーニャへ。

今回はアカペラ連続3曲で始まりました。『忘れねばこそ』は沢知恵さんのお祖父さまが日本語訳した詩に曲をつけて歌っています。恋の歌なのに、日本・中国・韓国の雲ゆきの怪しい状況をつい連想してしまいました。『虫のこえ』の次は『リッスン・トゥ・マイ・ヴォイス』。アカペラで聴く(&参加する)のは初めて。楽しかった〜。曲が終わった後の一瞬の沈黙が快感。続いての『村祭り』も大好き。聴くと心が浮き立ちます。文部省唱歌には琴線に触れる歌が多いな〜。言葉と季節感を大事にして、子ども達に伝えていきたいです。
今回も中村哲さんがゲスト参加。声とピアノとサックスが歌う、歌う、響きあう。。。幸福感で満たされる時間でした。『胸の泉に』『ロンリー・バンブー・アイランド』『朝のリレー』迫力ありました。『ザ・ライン』は心の中にある線がテーマなのに、滑るようになめらかな曲調のせいか何故かいつも飛行機を連想します。エアライン?
ライブ中、沢さんも震災後郡山で歌っていたなと思い出しました。http://www.comoesta.co.jp/hitokoto/index.cgi?p_start=41
NHK合唱コンクールで金賞受賞常連校の安積黎明高等学校も郡山市にあります。私はこの高校の女声合唱の大ファン。声の重なりが光の明滅みたいなんだもの。福島で起きたこと、原発のこと、核廃棄物のこと・・・忘れちゃいけないと再確認した29日の午後でした。
終演後、トルコ料理のレストランに入って、晩ご飯。金髪碧眼日本語少々(?)の若者が一人で料理して、一人でサーブしてました。じっくり時間をかけて、コース料理を完食し、ラクというアルコール度45%のアニスの香りのお酒を使ったカクテルを飲みました。マトンの串焼きが美味しかった〜。