辻村寿三郎×平清盛展とKATAGAMI STYLE展


日曜日は娘と美術館のハシゴ。最初は目黒雅叙園百段階段での「辻村寿三郎×平清盛平家物語は人物関係がややこしいので、NHK大河ドラマでの役者名があれば良かったね〜と娘と笑いあいました。
今回の展覧会で一番印象的だったのは崇徳院百人一首の中でも有名な恋歌「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あわむとぞ思ふ」の作者が骨肉の争いに敗れて、讃岐国に配流され、その地で没していたとは。。。。指先を血染めにし、ベルベットのガウンを着た崇徳上皇の人形はシェイクスピアの悲劇の主人公のような迫力がありました。落語の崇徳院はハッピーエンドの楽しい噺なのに、何という落差でしょう。

百段階段は壁画、天井画、床柱・・・と見どころ豊富ですが、室内の建具も部屋ごとに意匠を凝らしていて、見事です。
こちらは螺鈿の施されたエレベーターの扉。ハデハデです。

地下鉄で日比谷に移動して、三菱一号館美術館へ。

この美術館に入るのは初めて。1894年竣工の三菱一号館を再現したそうです。天井は高いのに、ドアノブの位置が笑ってしまう程低くて、日本人の平均身長の向上に思いをはせてしまいました(笑)
「KATAGAMI STYLE 世界が愛した日本のデザイン」展は充実していました。江戸小紋の型紙がすばらしく精緻で美しかったです。型紙はステンシルの型のようなものなのですが、ともかく気の遠くなるような細かい作業の連続で出来上がっています。柄によっては、職人さん自身がその柄専用の刀先から作るそうです。伊勢の職人さんの作業工程を撮影したDVDがとても面白かったです。

階段の模様もKATAGAMI STYLEに見えて来るから不思議!
リバティープリントやガレのランプ。アールヌーボースタイルのポスター、陶器、ガラス器、テキスタイル・・・世紀末の美術・デザイン界に吹き荒れたジャポニズムの嵐のインパクトを想像すると、日本人のひとりとして、鼻高々になってしまいます。柴田是真の展覧会http://d.hatena.ne.jp/fumfum235/20100117/1263735209を見た時も感じたのですが、斬新なデザイン感覚、手先の器用さ、技の巧みさ、生活の隅々までに及ぶ手間を惜しまない美への愛・・・江戸時代がピークだったのでは?とさえ思えてきます。