ザ・ベスト・オブ・山種コレクション


昨日はつれあいと恵比寿の山種美術館に行きました。
速水御舟の『炎舞』が一番のお目当てです。速水御舟の作品には玲瓏という言葉がぴったりくる冷たい静かな美しさがあります。
ご本人が41歳で早世されたことを知っているせいか、どこかゴシックロマン風の不安を誘う感じが漂っているような気がします。写実の冴えからくる緊張感なのでしょうか・・・。
ゆらめく炎の表現は平安時代の絵巻物『伴大納言絵詞』と比肩する迫力です。

今回私が特別に心魅かれたのは、奥村土牛の『鳴門』でした。船上で奥さんに帯をつかんでもらいながら、スケッチした鳴門の渦潮を作品化しています。スケッチも展示されていました。70歳の時の作品だそうです。色調は穏やかなのですが、体ごとひきこまれそうでした。そう大きい画面ではないのですが、海水の量感もたっぷり。

切手でおなじみの同じ作者の『醍醐』もすてきでした
今回の展覧会のキャッチコピーは《教科書で、切手で見た名画、一挙公開!》東京という都市はいとも簡単に本物と出会えるので、ありがたいな〜と思います。
山種美術館は山種証券の創始者が作っているので、委嘱されて製作した作品はタイトルを落陽から入り日に変えたり、「上げ潮」をモチーフにしたりと伝説的な相場師であるパトロンに気配りしているのが面白かったです。

行きにお店の外にまで行列ができていたラーメン店が、帰りはすぐに入店できそうだったので、空腹ではなかったのですが、フラフラと入ってしまいました。とんこつラーメン(650円)の濃厚なスープで芯からあたたまりました。九十九ラーメンというお店でした。次回はナチュラルチーズが味噌ラーメンの上でかき氷のようにてんこ盛りになっていたまる究ラーメンにも挑戦してみたいです。