神聖かまってちゃん

アルド・わたしだけのひみつのともだち

アルド・わたしだけのひみつのともだち

今日は母の日。だらだらして良し!とお墨付きをいただいた気分です。普段も大抵日曜日はダラダラしていますが、なんとなくのやましさがあるんですよね〜。一日家にいて、夕暮れを迎えた時にひょろろ〜っと冷たい風が背中に吹いてくるような・・・。
図書館に行ったら、絵本・児童書のリサイクルをしていたので、『おふろだいすき』(松岡享子作・林明子絵)と『アルド・わたしだけのひみつのともだち』(ジョン・バーニンガム作 谷川俊太郎訳)をもらってきました。
『アルド・わたしだけのひみつのともだち』は子どもの内面を支える空想の友だちを描いた作品です。同じテーマの『ラチとらいおん』は子どもに安心して読み聞かせできるわかりやすさと安心感ある絵本ですが、『アルド』にはどこか不穏な気配や寂寥感を感じます。バーニンガムの絵はあっさりしているのですが、すごく上手いので、主人公のわたしの気弱そうな外見を見ただけで、この子がいじめられっ子であることが一瞬で了解できてしまうリアルさがあります。アルドと一緒に楽しそうに遊んでいる絵をコラージュしている背景が夕暮れや夜のように暗いのも不安な感じを呼び起こしていると思います。
いじめられっ子というと、森田芳光監督の『家族ゲーム』を思い出します。宮川一朗太が同級生のいじめにあった日に家でノート一面に「夕暮れ 夕暮れ 夕暮れ・・・」と書いて、家庭教師の松田優作に「夕暮れについてのすべてを把握しました」とささやくシーンが忘れられません。

夜 NHK教育TVで《神聖かまってちゃん の子》のドキュメンタリーを見ました。夕鶴のつうのように自分の羽をむしって歌を作るタイプのように見えるので、ハラハラしました。の子がディレクターに作曲している所を撮影させて欲しいと頼まれて、口汚く拒絶するシーンが写っていたのですが、ディレクターの側は声だけで画面には出てこず、ちょっとズルいと思いました。ニュースやドキュメンタリーを見る時、息をひそめて不幸や破壊を見つめているような加害者意識を感じることがあります。江戸時代の瓦版から朝のワイドショーまでずっとジャーナリズムって本質的にはそんなものだったのかもしれませんが・・・。