ちんけさんと大きな女たち
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2010/01/30
- メディア: DVD
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- 作者: 長田弘,グスタフ・クリムト
- 出版社/メーカー: クレヨンハウス
- 発売日: 2010/05/20
- メディア: 単行本
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- 作者: 小風さち,山口マオ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2014/09/29
- メディア: 単行本
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猫好きの私にとって長田弘さんは何といっても『ねこに未来はない』の作者です。
購入した詩集には見開きごとにクリムトの風景画が配されています。クリムトといえば金箔と黒と半眼の美しく艶めかしい女性の肖像画という印象でしたので、装飾的でありながら静かな風景画(森や林や草原)は新鮮でした。
『ちんけさんと大きな女たち』はテンポがよくて笑える話なのですが、40歳になっても俳優としては食べて行けず、ハウスクリーニング会社でアルバイトしている生真面目で融通がきかなそうな《ちんけさん》の焦りや哀感にも大いに感情移入してしまいました。ちんけさんの脳内ファンタジーがドスのきいた声の《悪いお姉さん》(南海キャンディーズのしずちゃん)、幼児番組の歌のお姉さんのしゃべり方の《お姉さん》、カウンセラーのように落ち着いてしゃべる《(おばさん)天使》10歳だけどしっかり者の《娘》に具現化し、それぞれがはじけた演技を披露してくれていました。私には声質の違いが特に印象深かったです。男性の中にある女性性という点で河合隼雄の『とりかえばや 男と女』や《アニマ》と《アニムス》の話を連想しました。
終演後にお茶してから地下鉄表参道駅で一緒に見た友達3人と別れ、ひとり原宿駅に向かって歩いている途中、「あ!フェリーニの『8 1/2 』にすごく似てる!」と気がつきました。「家に帰ったら、DVDを借りて見直そう」と足どりも軽く駅に向かいましたが、山手線の外回りが人身事故で運転休止中。地下鉄で大回りして帰ることにしました。地下鉄の中で近藤さんからいただいた(Uさんがお友達なので・・・)公演パンフレットを開いてみると、ごあいさつに《イメージはフェリーニの『8 1/2』》とちゃんと書いてありました。だったら、劇の終りはもっと派手な祝祭空間にして欲しかったかな?でも、《ちんけさん》ってことで控えめにしたのかも。。。
1時間半近くかかって家に帰り、早速DVDを借りるべく近所のゲオに行ってみましたが、フェリーニの作品は1本も見当たりませんでした。ショック!フェリーニどころかチャップリンもヴィスコンティーもキューブリックも見つかりませんでした。何故かデビット・リーンの『アラビアのロレンス』はよりどり二枚で3000円の販売コーナーにありましたが・・・。
12月28日に届いた梅の花が水だけで開花しました。我が家で一番寒い玄関に置いていますが清々しい梅の香がほのかに漂っています。