ちんけさんと大きな女たち

8 1/2 普及版 [DVD]

8 1/2 普及版 [DVD]

詩ふたつ

詩ふたつ

わにわにのおふろ (幼児絵本シリーズ)

わにわにのおふろ (幼児絵本シリーズ)

職場の友達Uさんが誘ってくれたので、近藤芳正さん作・演出・主演の『ちんけさんと大きな女たち』を青山円形劇場に見に行きました。数年ぶりにに表参道を歩いたら、街並みの変化と中国語を話す買い物客の多さに驚きました。あの人たちは今話題の富裕層なのでしょうか?途中クレヨンハウスに寄り道したのですが、目印だったハナエモリ・ビル(設計:丹下健三)が解体されてしまっていたので、曲がり角を間違えてしまいました(泣)諸行無常の響きあり・・・クレヨンハウスでは大好きなわにわにシリーズの新作『わにわにとあかわに』と『長田弘 詩ふたつ』を購入しました。数年前西荻区民センターで長田弘さんのお話を聞いたことがあります。その時《猫を祭る》という素敵な漢詩を教えてもらいました。http://kanshi.roudokus.com/nekoomatsuru.html
猫好きの私にとって長田弘さんは何といっても『ねこに未来はない』の作者です。
購入した詩集には見開きごとにクリムトの風景画が配されています。クリムトといえば金箔と黒と半眼の美しく艶めかしい女性の肖像画という印象でしたので、装飾的でありながら静かな風景画(森や林や草原)は新鮮でした。
『ちんけさんと大きな女たち』はテンポがよくて笑える話なのですが、40歳になっても俳優としては食べて行けず、ハウスクリーニング会社でアルバイトしている生真面目で融通がきかなそうな《ちんけさん》の焦りや哀感にも大いに感情移入してしまいました。ちんけさんの脳内ファンタジーがドスのきいた声の《悪いお姉さん》(南海キャンディーズしずちゃん)、幼児番組の歌のお姉さんのしゃべり方の《お姉さん》、カウンセラーのように落ち着いてしゃべる《(おばさん)天使》10歳だけどしっかり者の《娘》に具現化し、それぞれがはじけた演技を披露してくれていました。私には声質の違いが特に印象深かったです。男性の中にある女性性という点で河合隼雄の『とりかえばや 男と女』や《アニマ》と《アニムス》の話を連想しました。
終演後にお茶してから地下鉄表参道駅で一緒に見た友達3人と別れ、ひとり原宿駅に向かって歩いている途中、「あ!フェリーニの『8 1/2 』にすごく似てる!」と気がつきました。「家に帰ったら、DVDを借りて見直そう」と足どりも軽く駅に向かいましたが、山手線の外回りが人身事故で運転休止中。地下鉄で大回りして帰ることにしました。地下鉄の中で近藤さんからいただいた(Uさんがお友達なので・・・)公演パンフレットを開いてみると、ごあいさつに《イメージはフェリーニの『8 1/2』》とちゃんと書いてありました。だったら、劇の終りはもっと派手な祝祭空間にして欲しかったかな?でも、《ちんけさん》ってことで控えめにしたのかも。。。
1時間半近くかかって家に帰り、早速DVDを借りるべく近所のゲオに行ってみましたが、フェリーニの作品は1本も見当たりませんでした。ショック!フェリーニどころかチャップリンヴィスコンティーもキューブリックも見つかりませんでした。何故かデビット・リーンの『アラビアのロレンス』はよりどり二枚で3000円の販売コーナーにありましたが・・・。

12月28日に届いた梅の花が水だけで開花しました。我が家で一番寒い玄関に置いていますが清々しい梅の香がほのかに漂っています。