第2回エデュカーレ全国読者交流会


6月5日(土)・6日(日)と清里清泉寮で行われた、第2回エデュカーレ全国読者交流会に参加しました。昨年も参加したので、二年連続の参加です。二日ともお天気に恵まれ、瑞々しい新緑の中で命の洗濯をしてきました。今年は春の訪れが遅かったそうです。藤とレンゲツツジとズミは満開でしたが、昨年美しかったサラサドウダンツツジはまだ固い蕾でした。
今回は《えきねっと》を利用して、特急あずさの指定乗車券を30%OFFで手に入れました。もし指定の列車に乗り遅れると、乗車券までもがパーになってしまうという危機感と清泉寮のバイキング形式の食事は野菜料理が素晴らしく美味しいことを知っていたので、憎きノド風邪を追い出すべくこの週末に向けて早寝をして、コンデションを整えました。
行きのあずさではSLやまなし号を撮影するために線路脇に陣取っている沢山の撮り鉄の方々を車窓から見ました。甲府から小淵沢D51が5月の最後と6月の頭の土日に走ったそうですよ。折り返してからの小淵沢甲府間は正確にはディーゼル機関車がけん引したようです。小淵沢駅D51が先頭になるように回ることが出来ないから?私の鉄道知識は機関車トーマスを長男と一緒に見ていただけなので、真相はわかりません(笑)D51に消防車で給水したという記事が笑えました。中央本線にSLが走るのは実に45年ぶりだそうです。撮り鉄の人たちが興奮するのも納得できます。私は母方祖父の葬儀に出るために中央本線のSLに乗ったことがあるのではないかな?と思います。トンネルで煙が入らないように親があわてて窓を閉めたような記憶があるようなないような・・・。
交流会は午後1時から始まりました。アップルジャムのコンサート、『風のなかで』の上映会&汐見稔幸先生と川邉貴子先生の対談、交流会&万華鏡ナイトミュージアム&菅原貴司さんのジャズピアノ演奏、小西貴士さんの「森で育つ子どもたちのスライドショー」&亀工房さんのギター&ハンマーダルシマー演奏・・・と本当に盛り沢山の内容です。写真は万華鏡ミュージアムの一部。大きな白い風船に万華鏡を投影したものもありました。万華鏡とイスラム建築のアラベスクって似てると思います。ゆったりと変化していく幾何学模様を見ていると、トリップってこんな感じ?なーんてちょっと思ってしまうのでした。トルコの回旋宗教とかね・・・。

晩ご飯はこんな感じです。ちょっと美意識に欠ける盛り付けだったかな?

亀工房さんのギターはスチール弦とは思えない柔かな音色で、小西さんのスライドと良く調和していました。PAなしの生音で聴いてみたいと思いました。

二日目は朝6時前に起きて、早朝ヨガに参加。今年は風邪明けだったせいか、頭を少しでもまわすと軽くクラクラ。「三半規管が弱っているのかもしれませんね。」とアドバイスをいただきました。二人一組で手のひらに空気を入れた形で体を叩きあうエクササイズでは、人に触ってもらうことの快感を再認識しました。子どもがどこかしら肌が触れていると安心する気持ちがわかりました。その一方で、あまり触られたくない子どもや抱っこやおんぶをしても、体を預けてこない子どもが年々増えていることが心配です。
朝食の後、各分科会に別れました。私は『森のようちえんのフィールドをのんびりお散歩♪』に参加。森のようちえんの小西貴士さんとあきっちゃんが先生です。園児(?)は間もなく3歳の男の子を含めて31名。最初は四つ葉のクローバー探し。四つ葉だけでなく五つ葉を発見した人もいました。小西さんは四つ葉のクローバーは見方を変えれば奇形でもあるけれど、自然界は多様だし、自然と触れあっていると、子どもも色々違っていて当たり前と思えるよね〜というような話をしてくれました。次に「寒い冬に灯油が残りわずかになったら、この森は何に見えますか?」の質問。目の前の新緑の森を見ても、飛行機雲にみとれるばかりで答えは想像もつかずにいたら、「燃料・薪」という答えでした。そして、山梨の薬物依存自助グループの人たちが森の倒木などを運んで、作った薪が積んである所を見せてくれました。以前ブログにも書いた韓国映画の『牛の鈴音』ではおじいさんが不自由な足を引きずって年老いた牛と一緒に焚き木を運び、冬に備えて家の横に大量に積み上げていました。まるで、口に出しては言えないおばあさんへの愛と感謝の証のように。映画を見てあんなに感動したのに、実際に森を見ても薪という発想が全然浮かばなかった私にちょっとがっかり。。。
http://d.hatena.ne.jp/fumfum235/20100216/1266331919


「牧草は年に3回刈り取る事ができます。何で切ってもまた伸びてくるのでしょう?」という質問の答えは「成長点があるから。」牧草の成長点は株の下の方にあるそうです。「その子の成長点がどこにあるのか、成長時期はいつなのか・・・保育者にはそこを見極める力が必要だよね」というメッセージを感じました。草笛を鳴らしたり、虫を観察したり、よもぎを摘んだり、蔓にぶら下がったりしながら、小西さんが自然から学んだ子ども観や保育観をちょっと照れくさそうにつぶやくのを耳を澄ませて聴かせてもらいました。
林縁は生物相が多様なこと・・・(狭間の場所、異質なものが混在することの豊かさってことかな?)を教えてもらってから、森の中へ。好きな場所で10分間ひとりで過ごす体験をしました。最初に配られた半畳ほどの緑色の防水シートを敷いて、裸足になって寝転び空を見上げたら、とても良い気持ちでした。シートを片付けてから、よーく地面を見たら、黒豆のような鹿の糞が大量に落ちている上に寝ていたのですが・・・。アンデルセンの「豆の上のおひめさま」なら気づいたでしょうにね。

ひとりの時間の後で、小西さんとあきっちゃんが軽く煎ってから煮出してくれたヨモギのお茶をみんなで飲みました。朴とミズナラの若葉入りのミックスヨモギ茶も飲みました。口に入れて良いものと悪いものをちゃんと見分けられるってカッコいいな。
お茶を飲みながら、ひとりの時間の感想を漢字一文字で現わして、グループに分かれて見せあいました。私のグループは「彩」「素」「輝」「命」「緑」。全員違う字でした。ちなみに私は「糞」と書こうとしたけど、字が思いだせず、「緑」にしました。
トトロの緑のトンネルのようなところをくぐり、坂を登りきってから牧場の木の柵を乗り越え、雄大八ヶ岳を前に集合写真を撮りました。「アルプスなので、せ〜のって言ったら、ハイジ〜って言ってくださいね」とお願いしてカメラを向けると皆さんノリノリで叫んでくれましたが、「八ヶ岳はアルプスじゃないよ」という鋭い突っ込みが・・・「反対側に南アルプスも見えますよ〜北岳は日本で二番目に高い山です」と小西さんがフォローしてくれました。しかも、その時、私の年季物のスニーカーの底の前半分がペロンと剥がれてしまうというアクシデントが・・・。時間がタイトな中、小西さんに髪ゴムと赤のビニールテープで応急処置してもらったので、そのまま不都合なく東京の家まで履いて帰れました。登山靴などの靴底が取れた時は針金で応急修理すると良いそうです。
今回の交流会でも猫の手レベルでしたが、当日のお手伝いをさせていただいたので、ご褒美の昼食をいただき、清泉寮名物のソフトクリームも食べさせてもらいました。ソフトクリームをなめていると、ヨガの佐藤先生と遭遇。「ヨガはもともと結ぶという意味なんですよ。」「体と心を結ぶ。」「天と自己を結ぶ。」「答えは自分の中にある。」等の含蓄のある言葉をうかがいました。このところ自分がどうこうというより、良き結び目のような存在になりたいなぁと思うことが多かったので、結ぶという言葉が心に響きました。一緒に参加した同僚のY子さんはヨガの分科会で佐藤先生に手のオイルマッサージをしてもらったそうです。気持ちヨガったそうですよ。(by駄洒落魔王:汐見先生)
小淵沢で帰りのあずさに無事乗りこみ、爆睡しているうちに新宿に到着しました。
とても充実した二日間でした。

上はがんばってくれたスニーカー。山手線でも西武新宿線でも、全然視線は感じませんでした。それはそれでちょっと淋しい・・・。(笑)