てぶくろ

てぶくろ (世界傑作絵本シリーズ)

てぶくろ (世界傑作絵本シリーズ)

1月29日(金)の午後、中瀬幼稚園さくらんぼ組におはなし(ストーリーテリング)にお邪魔しました。ストーリーテリングは素話ともいい、お話を覚えて語ります。プログラムは「ねずみ浄土」、「てぶくろ」、まどみちおの詩「音」(こちらはパネルシアターを使用)でした。
私のおはなしレパートリーはとても少ないのですが、その中では地下の世界が出てくる話が突出して多いです。子どもの時から、蟻やモグラの巣の中を想像したり、無人島に漂流したら、洞窟に住むとして・・・と妄想することが大好きだったので、三つ子の魂なのかもしれません。(笑)これって胎内回帰願望?
「てぶくろ」は、「頭に柿の木」「頭山」等と同種の《大きさ》の概念を無視した荒唐無稽な話なのに、何故かそれなりに呑み込めてしまうところが面白いと思っています。テキストは福音館書店の絵本「てぶくろ」を使っています。翻訳は内田莉莎子さん。(1928〜1997)「おおきなかぶ」や「12のつきのおくりもの」等、ロシア・東欧の児童文学の翻訳を数多く手掛けていらっしゃいます。品が良く、簡潔で、声に出して読んだり、語ったりして心地良いので、この人の文体がとても好きです。
絵本「てぶくろ」のラチョフの絵は本当にお見事。読み聞かせしてもらった時、少し離れて見たら、画面の空と大地の間のほの明るさが舞台の照明のようだと感じました。もっとも、今となってはこの絵を思い出さずにお話を聴くことができないのは、ちょっと残念。もしまったく白紙の状態でおはなしだけを聴いたら、印象が変わってくるのではないか?と子どもたちの反応を見ていて思いました。
映像が伴うことによる限界、一方で映像の可能性と伝える力の強さを考えさせられる出来事でした。プログラムの最後、詩の紹介でパネルシアターを使ったことは結果的に言葉の力を弱めてしまったと反省しました。オマケのお楽しみとしてならOKかもしれませんが・・・。
      音  まどみちお
ピアノの音 ぽろん  サクランボ ひとつ
たいこの音 どどん  大波 ひとつ
カスタネット けけ  おこうこ ひときれ
らっぱの音 ぺぽー あんぱん ひとつ
トライアングル つーん かみの毛 一本
すずの音 ちりん マメの花 ひとつ
もくぎょの音 ぽこん たんこぶ ひとつ
うそっこうた たらりー にじの橋 ひとつ

「おこうこ」を「たくあん」と説明しても、大多数は「?」でした。ちょっと意外でした。私の絵が下手過ぎた?(笑)