風のなかで むしのいのち くさのいのち もののいのち

 2009.5.31のブログで「試写会に行ってきました」と紹介したドキュメンタリー映画の立派なHPが出来ていました。http://www.kazenonakade.com/
映画は我が家の子どもたち二人がお世話になった中瀬幼稚園が企画・製作しました。子どもはのびのびと育ち、同時に親をも育ててくれる場のある幼稚園です。この幼稚園に出会ったことで、影響を受けやすい私は数年後に保育の世界に首をつっこむことになりました。(笑)自主上映会が始まっているようです。最新情報をクリックして、もし近くで機会があったら是非見て下さいね〜。
 昨日は世田谷の生活クラブ館で、NPO法人ハンズオン!埼玉の西川正さんのお話を聴いてきました。「おとうさんのヤキイモタイム」という父親の子育てを応援するキャンペーン、「落ち葉の遊園地」「クッキープロジェクト」等々多方面で活躍中の方です。私は経歴に紆余曲折のある方の文章や話が好きなんだなぁと思いました。話に奥行と含羞の気配があって、決めつけ口調が出ない人が多いからかな?
 たまたま北海道浦河町にある「べてるの家」をめぐっての対談『ゆるゆるスローなべてるの家』(向谷地生良+辻信一)を読んでいる最中だったので、失敗やトラブルの効用とか自立とか支援とか響きあう部分が多く、考えさせられました。
 辻さんの言葉の一部をちょっと丸うつしします。「ピンホールカメラのアーティストや先生として教えている人たちが言っていることで大事だと思うのは、今の若者は非常に失敗をおそれる、と。なぜ失敗を恐れるかというと、世の中の大人たちが失敗する機会を奪ってきたからではないか、と。じつはここに「便利」ということの落とし穴があるんじゃないか。「もっともっと便利に」、というこれまでの足し算の裏側では、「・・・・がなくても生きられる」という、かつてみんながもっていた能力が失われていった。そして、便利というのは、失敗を迂回して、先回りしてしまうことですから、その便利に慣れることでぼくたちは失敗できない人になってしまう。失敗をしなければわからないことはたくさんあって、失敗から学ぶというのは、非常にスローなプロセスです。そして、それこそが人生というものだったはずです。それなのに教育現場ではおもに、こういう筋道でやれば効率的に結果がでる、というやり方を子どもたちになぞらせる。これでは生き方としては豊かになれなくて、かえって貧しくなるばかりです。」
 何でもお金で買ってきてこと足りるのではなく、生きている手ごたえのある生活、失敗しても大丈夫って思える関係性を持つことで人はしあわせを感じるのでしょう。大人にとっても、子どもにとっても安心して失敗できる、自分が自分の主人公であるそんな生活がとても大切だと思いました。

ゆるゆるスローなべてるの家―ぬけます、おります、なまけます (ゆっくりノートブック)

ゆるゆるスローなべてるの家―ぬけます、おります、なまけます (ゆっくりノートブック)