茨木のり子展@世田谷文学館


世田谷文学館茨木のり子展を見てきました。
上の魅力的なポートレート谷川俊太郎さんが茨木さんに乞われて撮影したそうです。すごく魅力的な写真。
会場は女性が8割以上。静かに作品と向きあっていました。お年を召したご夫婦の旦那さまがおつれあいに何やら解説しているな・・・と思ったら、おつれあいは白杖をついていらっしゃいました。「うるさいな〜」と感じた自分の心の狭さに赤面。

展示を見た後、つれあいと合流して、沢知恵さんの『りゅうりぇんれんの物語』のライブへ。
14年間の逃避行の重い時間を70分余りをかけてひとりで弾き語るその集中力。CDでは聴いていましたが、生は格別でした。「旅をするようだ」と沢さんが言っていたような気がしますが、ライブが終わった時会場の人たちは拍手することも忘れて、旅の重さをかみしめていました。「おかえりなさい知恵さん」私はうっすらと涙がにじませてピアノの横に立った沢さんに心の中で語りかけました。

昭和三十三年三月りゅうりぇんれんは雨にけむる東京についた
罪もない 兵士でもない 百姓を
こんなひどい目にあわせた
華人労務者移入方針」
かつてこの案を練った商工大臣が
今は総理大臣になっている不思議な首都へ

今はその孫が・・・。私たちをどこに連れていこうとしているのでしょうか?