ナイトキャップは・・・

時代の風音 (朝日文芸文庫)

時代の風音 (朝日文芸文庫)

寝つきは良い方ですが、ナイトキャップ代わりに、布団の中で活字を読む習慣があります。
この本は最適でした。文庫本なので軽い。対談なので読みやすい。でも、そこそこ眠気を誘う文明論的視点がある。スケールの大きい話は気宇壮大な夢を誘うかも?(今のところ見ていませんが・・・)
面白かったところをちょっと抜き書き

堀田善衛:ガウディは、建築(バルセロナの聖家族教会)に時間がかかるだろうということを、「私の注文主はお急ぎではない」という言い方で言ったんです(笑)
司馬遼太郎:神さまのことですね。
宮崎駿:建築家ってのはたいへんな政治家ですね。よくあれだけスポンサーつかまえたと思いました。
映画人もスポンサーをだましたいと願っているのですが、小心でだましきれません。
司馬:だから建築家の顔というのは、普通の人の顔と違いますな(笑)

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先日、石山修武氏と安藤忠雄氏のお顔を拝見し、お話をうかがったので、このくだりにすご〜くリアリティーを感じました。
http://d.hatena.ne.jp/fumfum235/20140402/1396450950
大風呂敷を広げて、遠い未来まで射程に入れたヴィジョンを大衆に示し、夢を共有させる。。。スケールの大きい建築家の仕事はすぐれた政治家の仕事とよく似ていると思います。ヴィションを示せる政治家が今の日本にはたして存在しているのか?そこがモンダイ?

宮崎駿はこの対談で二人の巨人から、バトンを受け取ったので、憲法原発の問題に粘り強く発言し続けているのかな〜と思いました。