フレデリック

今週のお題特別編「素敵な絵本」

フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし

フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし

好きな絵本は沢山ありますが、一番好きなのは?と聞かれたら、迷わず『フレデリック』と答えます。
サブタイトルは《ちょっとかわったねずみのはなし》
野ねずみのフレデリックは、冬に備えてせっせと食べ物を集めている4匹の仲間を横目に、目を半眼にしてぼんやり・・・。「どうしてきみははたらかないの?」と聞かれて、「おひさまのひかりをあつめてるんだ」「いろをあつめているのさ」「ことばをあつめてるんだ」とマイペースそのもの。
冬になって、雪がふり、とうとう食べ物も底をついてきて、心も身体も疲れきってしまった時、フレデリックは魔術師のようにおひさまのひかりと色と詩をみんなにプレゼントします。
成果主義がまかり通り、沢山お金を稼ぐ人が価値のある人とみなされがちな現代社会ですが、幸せに暮らすためには芸術や言葉も大切なんだよ。有能で勤勉な人ばかりでなく、ちょっとかわった人も大切な仲間なんだよ。と、さりげなく伝えてくれる絵本です。

この絵本を読むと、『夜と霧』を思い出します。ナチス強制収容所での極限生活の中で生きる望みを失わないために大切だったのは、体力よりも家族への愛や思い出だったそうです。

夜と霧 新版

夜と霧 新版

私はフレデリックのような詩人ではないけれど、心を暖められるような言葉をなるべく使っていきたいです。めざせ和顔愛語。
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それにしても、ねずみが主人公の絵本って名作が多いですね。

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

ねずみのいえさがし (ねずみのほん1) (ねずみのほん (1))

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ねずみのともだちさがし (ねずみのほん2) (ねずみのほん (2))

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14ひきのあさごはん (14ひきのシリーズ)

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2ひきのわるいねずみのおはなし (ピーターラビットの絵本 7)

2ひきのわるいねずみのおはなし (ピーターラビットの絵本 7)

上の絵本のねずみたちはみんな清潔で居心地の良さそうな家に住んでいます。兄弟やパートナーと一緒や三世代同居も・・・。みんな幸せそうです。
ねむいねむいねずみ (PHPおはなしプレゼント)

ねむいねむいねずみ (PHPおはなしプレゼント)

こちらのねずみは放浪者です。がんばれ!ねずみ絵本業界の異端児(笑)
ねずみくんのチョッキ (ねずみくんの絵本 1)

ねずみくんのチョッキ (ねずみくんの絵本 1)

あ〜忘れちゃいけない、ねずみくん。この子は友だち関係はあるけど、生活感はあまりないかも・・・(全シリース読んだわけではないので、ちょっと自信ありませんが・・・)子どもの気持ちの機微をうまくすくい上げているところが好きです。