ことばあそびうた

ことばあそびうた (日本傑作絵本シリーズ)

ことばあそびうた (日本傑作絵本シリーズ)

先日参加した谷川俊太郎講演会で、「ことばあそびうた」制作秘話的なお話を聞くことができました。
掲載作の中で最初にできた詩は「なのはな」だそうです。
 なのはな
はなのの なのはな
はなのな なあに
なずな なのはな
なもない のばな

雑誌のために書き下ろした詩なのに、当時はその雑誌に掲載拒否されたそうです。音色の面白さを追求する詩が理解されにくかったのですね。
そんな状況に風穴をあけたのは、大橋巨泉が登場したパイロット万年筆のCM、《はっぱふみふみ》あたりかも・・・お若い方は知らないでしょうが・・・とおっしゃていました。
言葉の音を楽しむ文化にCMのコピーライトが貢献したとは。。。

なのはなに続く作品を制作するのは大変だったそうです。言葉の職人として、ダジャレ・地口の要素も取り入れつつ詩を作ることは詩の本質を考える上で勉強になったと言っていました。
詩は言葉のあそび。どんな難解な詩にもあそびの要素はあること。詩の味わいは意味だけを追求すると失われるともおっしゃっていました。
詩は多義的なものだから、テスト(正解がひとつのシステム)とはなじまないそうです。教科書に載せるのは良いけど、試験の問題にはして欲しくないな〜と言っていました。