あの頃の未来

みがけば光る

みがけば光る

1967年の4月に朝日新聞に連載されたコラム《暮らし寸評》の中の一編『テレビを見る顔』というエッセイを読んで、またまた石井桃子さん鋭い!と思いました。少し抜き書きします。
 私は、ぜひ、心と表情の研究をしている方がた、また脳の学問をしておられる方がたに教えていただきたいと思っている。人が、そういう顔(※テレビを見てぽかんとした顔)をする場合、その興味は、その人の脳のどういう部分を多く刺激しているのか。原始的感覚をつかさどる部分か、思考する部分か。その人を前進させる部分か。前進させるほうなら、私たちは安心してテレビに子どもをあずけておくことができる。何しろあれだけ熱中させて前進させるなら、たいしたことではないだろうか。 
 しかし不安が残るのは、ニュートンも何事かを考えて我を忘れた時、普通の人から笑われるようなことをしたといわれているけれど、その時、ニュートンは、ぽかんとしていたかどうか。むしろ、自分の中の何かを見つめるように、きっとした顔をしていたろうと思われてならない。

大脳生理学はずい分、発展して刺激を受けて脳のどの部分に血流が増しているのかはわかるようになったみたいです。石井桃子さんの1967年の問いに学者さんは何と答えるのでしょうね?

スカイプでテレビ電話は実現したし、腕時計型の端末は『スーパージェッター』の「流星号応答せよ!」みたい。小学生の頃、マンガで見ていた未来のアイテムは結構実現化されているんだなぁとこの頃感慨しきりです。全自動運転の乗用車も半ば実用化されているようですね。
色々なものが便利になることが、人間の脳の発達にどういう影響を及ぼしているのかには一抹の不安がありますが、介護用パワースーツなどはどんどん実用化して欲しいですね。アンドロイドとクローンはやだな〜。