重森三玲 北斗七星の庭展


雛祭りの昨日、娘とワタリウム美術館に行ってきました。この美術館では『ブルーノ・タウト展』『南方熊楠展』『レッジョ・エミリア展1・2』を見ています。作品を展示するだけでなく、それぞれの表現活動を紹介し、俯瞰する展示が意欲的だなぁ、空間を面白く使っているなぁといつも感心させられています。
重森三玲という人のことはまったく知りませんでした。名前の印象から、現代の女性かと思ってしまいましたが、明治29年に生まれ、昭和50年に亡くなられた男性でした。茶道と華道に通じ、茶室や庭をデザインし、膨大な数の日本庭園の実測調査を成し遂げた人です。(我が故郷、大町市常盤:清水家庭園も実測されていました。どの清水さんなのかしら?)家に集金に来た人にもお茶をたててふるまったという客好きのチャーミングなおじさまだったそうです。
「明治生まれなのに、三玲って変わった名前だね〜」と娘が言うので、「“晩鐘”のミレーじゃないの?」「晩鐘?何それ?」「“種まく人”・・・岩波書店のマーク」「あ〜それならわかる」「息子さんも変わった名前だったね」「完途(かんと)さん」「デカルト・カント・ショーペンハウエルのカントかしらね〜?」・・・森鴎外も子どもたちに漢字を使って洋風な名前をつけているので、知識階級ではそう珍しくはなかったのかもしれませんね。
庭には四国の青石(緑泥片岩)が多用されていました。この緑泥片岩、先日行った長瀞にも露出していました。水に濡れると緑色が鮮やかになり、とてもきれいでした。
ストーンヘンジのような荒々しい庭や東山魁夷『満ち来る潮』のような波と岩を彷彿とさせる庭、抽象画のような庭・・・19時閉館にもかかわらず、DVDが上映され続けていたし、他にも見ている人がいたので「土曜日は特別なのかな?」見とれていたら、19時半になって、「7時閉館なので、そろそろ・・・」と声がかかりました(笑)結局、公式DVDカタログを購入し、家で続きを見ました。箱庭を作るように、自分の庭をバーチャルで作成するソフトが出来ないかな〜なんてことを思いました。