歴史を描く@山種美術館


吉野太夫

昨日の午後、娘と一緒に山種美術館に行きました。
私は小林古径安田靫彦速水御舟のすっきり涼しい絵三人衆が日本画家としては好みなのですが、この美術展では北澤映月『ねねと茶々』服部有恒『淀殿伊東深水吉野太夫』森田曠平『出雲阿国』・・・と不思議なくらい実在した女性の肖像画に魅かれました。淀君には日本では稀なファム・ファタル的魅力がありますね。
吉野太夫』は華やかさの中に気品がありました。京都島原の才色兼備を誇るナンバーワン遊女。のちに豪商に身請けされたそうです。サントリー美術館の《その名は蔦屋重三郎展》で見た浮世絵『難波屋おきた』(喜多川歌麿)にもなんとも言えないオーラがありました。おきたって山田太一脚本のドラマ『想い出づくり』に出ていた頃の田中裕子に似てませんか?当時の遊女はやはり現代のアイドルに近い存在だったのかな?それにしても田中裕子の存在感はすごかった。私は『想い出づくり』で上司のために入れているお茶に憎々しげにつばを吐いているシーンが忘れられません。あらら・・おきたさんもお茶を運んでます(笑)つばなんて入れてはいけませんよ!

歴史を描く@山種美術館では安田靫彦『豊太閤』前田青邨蓮台寺の松陰』も素晴らしかったです。

『豊太閤』

蓮台寺の松陰』