レオくん

レオくん (フラワーコミックスアルファ)

レオくん (フラワーコミックスアルファ)

年末に中学以来の友人T子ちゃんと萩尾望都って軽度発達障害にすごく関心がありそうだよねという話をしました。「A−A’」の主人公は一角獣種とういうコンピューターを扱うために開発されたミュータントなのですが、まさにアスペルガー症候群の人そのものです。一本調子のしゃべりかた、自分がストレスでボロボロで、食事もろくにとれていないのに淡々と業務に邁進してしまうところなんて典型的だなぁと思いました。萩尾望都さんご本人もそういう傾向が多分にあるのでは・・・と推察しています。
その時、T子ちゃんが勧めてくれたのが、萩尾望都の新作「レオくん」でした。①の「レオくんの小学1年生」は張り切って入学したものの、学校のルールが理解できずに追いつめられて、どんどん悲しい気持ちになっていく過程がすごくリアル。レオくんは猫なので、たった一日でスパッと登校をあきらめていました。
本物のLDやADHDの小学生はイヤでも、毎日登校し続けなければならないのだと思うと、幼稚園・保育園・小学校での軽度発達障害の子への理解ときめ細やかな配慮はもっともっと進めなければならないと痛感しました。少数派の悲しみを描かせたら、萩尾望都さんの右に出るものはいないと私は思っています。